「どうすればWebライターになれるの?」
「Webライターは具体的にどんな仕事をするの?」
「Webライターとして知っておくべき知識はなに?」
本連載では、これからWebライターになりたい方やWebライターになったばかりの方にとって気になるポイントを、現役Webライターの視点から分かりやすく解説してきました。
第一回では「実績ゼロからWebライターになる方法」、第二回では「Webライターの仕事内容とその一日について」といった内容を、これから皆さんが通るであろう道を想像しながら、自分の経験を振り返りつつ執筆しています。
今回はその第三回として、Webライターとしての基本や知っていて損はない知識について、私の経験も交えながら紹介していきます。
Webライティングの基本を覚えよう
ここではWebライターをする上で押さえておくとよい基本について紹介します。
Webライティングの基本として挙げられるのは、以下の3つです。
- 基本の型(PREP法)
- トンマナ
- 文末表現
それぞれ詳しく解説していきます。
基本の型(PREP法)
Webライティングは、基本的に「PREP法」を用いて執筆していきます。
PREP法は、下記の順で文章を書く方法です。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(実例・具体例)
- Point(結論)
PREP法は、SEO記事の執筆にも活用できる文章構成法と言われています。
最初に結論を明示する文章構成のため、ユーザーが途中で読むのをやめて離脱してしまうのを防ぐ効果があるからです。
このほか、ニュースや自己紹介など、短時間でわかりやすく情報を伝える場面に適したSDS法などがあります。
トンマナ
トーン&マナーの略称で、Webメディア制作において、運営しているメディアの世界観を統一するためのルールのことです。
トンマナは、記事制作においても文の調子や言葉の表記の仕方を統一する意味で使われます。
文体は大きく分けて「です・ます調」か「だ・である調」の2つです。
Webライティングにおいては、基本的に「です・ます調」が多い傾向にあります。
文末表現
言葉のとおり、文章末尾の「〜です」「〜でしょう」などの表現を指します。
文末表現で気をつけたいのが、「同じ文末表現を使わないようにすること」です。
たとえば、「〇〇ます。△△ます。そのため、××ます」のように同じ文末表現が連続すると、文章全体のリズムが損なわれ、稚拙な印象を与えてしまいます。
最初の文で「です」を使っている場合は、次の文では「ます」や「でしょう」を使ったり、体言止めを使ったりと、使える文末表現の手札を増やしておくことが大切です。
Webライターとして読みやすい文章を書く上で、文末表現は重要になるため、状況に応じてベストな書き回しができるようにしておきましょう。
SEOライティングの知識を身につけよう
Webメディアを主な活動の場にしているWebライターにとっては、SEOライティングの知識は欠かせないものです。携わる仕事のほとんどがSEOに関係すると言っても過言ではありません。
SEOライティングを簡単に言うと、「検索エンジンで上位表示させるためのライティング手法」を意味します。
上位表示させる目的は、検索エンジンからより多くのユーザーを集め、企業のブランディングやコンバージョン獲得につなげるためです。
SEOライティングは、企業の広報活動が新聞や雑誌、TVからインターネットに移行している現代においては、とくに重要な手法になります。
効果的なSEOライティングを実践するには、まずは基本用語を押さえておきましょう。
よく使われる基本的な用語は以下のとおりです。
- キーワード
- 共起語
- E-A-T(専門性、権威性、信頼性)
- 内部リンク
- マークアップ(HTMLタグ)
- 画像(alt属性)
これらの用語を聞いてすぐに意味が分かるようにしておくと、かなりスムーズに仕事ができるようになります。
とはいえ、よく検索されているキーワードをたくさん使えばいいかといえばそうではありません。
ポイントは、「ユーザーにとって有益なコンテンツであるか」です。
「ユーザーにとって有益なコンテンツであるか」の指標は国内の検索エンジンのシェアを持つGoogleの評価基準に基づきます。
Googleは「Googleが掲げる10の事実」の第一項目において、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と明示しています。
つまり、ユーザーのニーズを満たしたコンテンツでなければ、検索エンジンから評価されず上位表示が狙えないことを意味しているのです。
かつては検索されているキーワードがたくさん書かれたコンテンツやまとめサイトが乱立していましたが、現在は一掃されています。
このことから分かるように、SEOライティングはユーザーファーストを念頭に置いて取り組むことが重要なのです。
学べば学ぶほど面白いコピーライティング
Webライティングとは分野が違いますが、コピーライティングは身につけておくと仕事が広がりますので、おすすめの分野です。
コピーライティングとは、商品やサービスを魅力的に伝えることでユーザーの購買行動を駆り立てる広告の文章、またはその技術のことを指します。
キャッチコピーのような一目で注意を引くような文章や商品を強く印象づける短い文章、長文でブランドストーリーを伝える文章などさまざまです。
私自身、Webライターと名乗って過ごしていると、ひょんなところから「書く仕事」がやってきますが、その中にコピーライティングも含まれることがあります。
仕事の話を持ってきてくれる側は、Webライターもコピーライターも同じと思っているようです。これで受ける側も「言葉を扱う」という点では同じだからと気楽に引き受けてしまうと大ケガすることもあるのでご注意を。
私もコピーライティングの仕事がふっとやって来た当時、自分が受けられる仕事かを調べてみて知りましたが、そもそもアプローチの仕方が異なるものでした。
結局その時はお断りすることにしたのですが、コピーライティングは報酬面も魅力的だったので、「もっと早い段階でコピーライティングに取り組むべきだった」と後悔したことを覚えています。
私自身、今も勉強中の身ですが、コピーライティングは学べば学ぶほど面白く、どんな仕事にも応用ができるスキルだと感じているので早い段階で身につけておいて損はないでしょう。
まとめ
今回は、Webライターとして押えておくべき基本と身につけておくとよいことをピックアップして紹介しました。
Webライティングに関する情報は、インターネットから無料でその基本を勉強することができますし、本から学ぶのもよいでしょう。
前述したコピーライティングの勉強も、私は本から学んでいます。本はその道のプロが比較的安価で情報を提供してくれているものなので、個人的におすすめの勉強法です。
第一回の冒頭でお伝えしたように、Webライターはなりたいと思った人のほとんどがなれます。それだけに競争の激しい業界でもあるため、続けていくにはそれなりの胆力も必要だったりもします。
ただ言えることは、人間が言葉を使う以上ライティングに関係するものは無数にあるということです。もし、今日Webライターをやめる人がいたとして、その人が身につけた経験や実績はどんなことにも応用できるスキルとなっているでしょう。
Webライティングで身につけた力はもっと大きな世界へ羽ばたける武器にもなると私は思っています。
本連載がWebライターという職業に興味を持つきっかけになり、さらに「Webライターになりたい」という皆さんの背中を押すことができれば幸いです。